お薬の使い方・飲ませ方

お薬の飲ませ方

いつ飲ませればよいですか?

1日2回の薬は、朝と夜、12時間ごとに。
1日3回の薬は、食事にとらわれず「起きている間に等間隔に3回」を 目安にしてください。たとえば、朝8時頃、昼2時頃、夜8時頃のように。
1日4回の薬は、朝、昼、夕方、寝る前に。

食後がよいですか?

食後はおなかがいっぱいで飲めなかったり、食べたものといっしょに吐いたりすることがあります。子どもは薬で胃があれることはないので、主治医からの特別な指示がない限り、食前・食後にこだわらず、時間になったら飲ませてください。赤ちゃんには授乳の前に薬を飲ませるほうがよいでしょう。

よくなったらやめてもいいですか?

処方された薬は、きちんと最後まで飲むのが原則です。せっかく治りかけていたのに、またぶり返してしまうこともあります。薬を途中でやめていいかどうかは主治医にたずねてからにしてください。

残った薬は保存してよいですか?

封を開けて飲み残した薬は原則捨ててください。次に病気になったときに残った薬を飲ませるのはよくありません。ただし、急に熱が出たときのために、解熱剤の飲み薬(頓服)または坐薬を常備しておくとよいですね。



坐薬の使い方

坐薬の特徴

うまく薬が飲めないとき、吐き気があるときなどに使えます。しかし、嫌がる子どもや子どもが下痢のときは使いにくいものです。冷蔵庫で長い間、保存することができます。

坐薬のいろいろ

解熱剤としての坐薬のほかに、吐き気止めや、ひきつけ予防など、坐薬にもいろいろ種類があります。坐薬の名前や効能をきちんと確かめて使いましょう。※大人の坐薬を子どもに使ってはいけません。

坐薬の使い方
  • 赤ちゃんにはおむつを替える体勢で入れます。
  • 手で温めて表面を滑らかにしたり、肛門や坐薬の先にオリーブ油や、ベビーオイルなどを塗ると無理なく入ります。
  • 坐薬は冷蔵庫で保存しておきます。
  • カットする場合は中身を出す前に、はさみでカバーごと切ります。

※けいれん予防の坐薬と解熱剤の坐薬を使うときは、けいれん予防の坐薬を先に入れ30分以上たってから解熱剤の坐薬を入れます。

坐薬を入れて便が出たとき

入れた坐薬がすぐ便といっしょに出た場合は、もう一度同じ坐薬を入れてもかまいません。しばらくたって便が出た場合は追加しないほうがいいでしょう。30分以上たっていれば、薬はほとんど吸収されています。



点眼・点鼻・点耳薬の使い方

点眼薬の使い方

乳幼児の場合はあおむけに寝かせ、お母さんの股で頭を固定します。目をつぶった状態で目頭付近に点眼し、まばたきをさせます。
年長児の場合は頭を少し後ろに傾けて座らせます。下まぶたをひっぱりながら上を見せて点眼します。

点鼻薬の使い方

子どもの頭を後ろに傾け、口で呼吸をさせながら一滴を滴下、またはスプレーします。

点耳薬の使い方

頭を横にして薬を入れる側の耳を上にして、耳の穴の壁にそっと静かに薬を入れます。薬を入れて約10分ほどそのままの体勢にしておきます。



解熱薬の使い方

熱が出た?

熱が高いと脳に悪い影響があると思われがちですが、40℃ぐらいの熱であっても脳に影響はありませんから安心ください。

解熱薬は一時しのぎ

解熱薬は、熱によるつらさを軽くする薬であって、病気を治す薬ではありません。熱を下げることばかりに気をとられないようにしましょう。

解熱薬の使い方
  • 38.5℃以上で、つらそうにしていたら使う。
  • 高熱でも子どもが元気そうであれば使わなくてもよいです。また、眠った子どもを起こしてまで使う必要はありません。
  • 薬を一度使ったら、6時間以上時間をあけましょう。
坐薬か飲みぐすりか

吐く子には坐薬を、下痢のときや坐薬が嫌いな子には飲みぐすりを与えましょう。効き目は同じです。ただし、解熱剤の坐薬と飲みぐすりの解熱薬を同時に使ってはいけません。

頭を冷やしてもよいですか?

冷えたタオルで頭を冷やす、そんなお母さんの姿が子どもの心をなごませます。冷却剤をおでこに貼るのも気持ちがよいでしょう。ただし、頭を冷やしても熱はあまり下がりません。子どもが嫌がるときは無理に頭を冷やす必要はありません。
※子どもの解熱薬にはアセトアミノフェン(またはイブプロフェン)を 使います。これ以外の解熱薬は使わないようにしましょう。



抗菌薬(抗生物質・抗生剤)

細菌などによる病気に効く

抗菌薬は細菌などによる病気を早く治したり、ときには重症な病気から命を救ってくれる薬です。
◎細菌による病気:溶連菌性咽頭炎、細菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、百日咳、細菌性腸炎、尿路感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎(蓄膿症)、細菌性髄膜炎、とびひなど

ウイルスには効かない

ふつうの「かぜ」はウイルスが原因なので抗菌薬は効きません。
◎ウイルスによる病気:かぜ症候群、インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎、突発性発疹、風疹、おたふくかぜ、はしか、みずぼうそう、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱など

抗菌薬を医師からもらったら

最後まできちんと飲みきりましょう。症状がよくなったから、熱が下がったからといって、途中でやめてはいけません。

抗菌薬をとっておく?

抗菌薬を保管して次の病気のときにとりあえず飲ませる、というのが一番良くありません。病気のサインを中途半端に消してしまい、医師が正しい診断をできなかったり、病気をこじらせてしまうことがあります。

予防には使わない、長期には使わない

普通の「かぜ」のときに、肺炎や中耳炎を予防するために抗菌薬を飲むのはよくありません。効果がないばかりか、体の中の菌のバランスが崩れたり、耐性菌ができたりして、かえって体に害になることがあります。

抗菌薬の副作用

ときに下痢をすることがありますが、これはもともと腸の中にいる「よい細菌」までやっつけてしまうからです。治療が終われれば下痢も治ります。


参考